風のようなトモダチ


ある日、男のコから一通の手紙をもらった。
「10年後、キミはもしかしたらこの街にはいないかもしれない。
いや・・・いないような気がする。その時・・・キミがもし、
コラムニストやフリーライターや作家になっていたら、
陰ながら応援したい。できたら、その隣にいたいけど
きっとキミは風のように消えちゃうんだろうな。」
残念だけど、わたしは物書きにはなれなかったし なる努力もしなかった。
そして、風のように消えていったのは このわたしではなく彼の方だった。
彼の年齢はあの時のままだけれど、世界のどこかに存在しているような気がする。
眩しそうな表情で、太陽を見上げる彼の顔が脳裏をかすめる。