あの頃の日曜日はバジルの香り。


あの頃のある日曜日。
午後、わたしはトルコ産のマカロニとトマトの缶詰を買いに街に出かけた。
瓶詰めのアンチョビも安かったので、ついたくさん買いすぎちゃって、
帰り道は両手に荷物で大変な思いをしたわ。
「ああ・・・もう、こんなとき独りじゃなかったら。」
いったん帰宅してから、今度は高速を飛ばしてワインを調達に。
この頃は、イタリアワインにハマっていたっけ・・・。
自分のために選んだワインと、自分のために作ったイタリア料理を
口にしながら、「いつか出逢う誰か」を想い・・・。
何度そんな日曜日の夜を過ごしただろうか。
食事のあとには、エスプレッソをいただきながらソニー・ロリンズ
マイルス・デイヴィスのCDを聴き、バスタイムの後にはスターチャンネルを観ながら
いつの間にか眠りに落ちてしまってるってわけ。
「いつか出逢う誰か」が現れなければ、わたしのあの“いつもの日曜日”は
報われないし無意味なモノになってしまうだろうと、ずっと思い続けてきたわ。




ねえ?わたしの作ったイタリア料理、食べてみてよ。
あの頃の日曜日がなかったら、わたしはデルモンテのケチャップで
パスタを作っていただろうしソムリエナイフの使い方さえ
わからなかったに違いないわ・・・。

テナー・マドネスソニー・ロリンズ・ウィズ・ザ・モダン・ジャズ・クァルテットSaxophone Colossus