ヒトのコトバの中には一粒のダイヤモンドがある。

午後8時を過ぎているのに、まだデスクのモニターに向かっていた。
数字が合わない・・・。
焦燥感で掌に汗が滲んできた。
ああ・・・これ、今日中に提出しないといけない書類なのに!
わたしは開き直って、“T”に電話をし「どうしてわたしがこんなめに合わなきゃいけないの?」と。
それから数分間、わたしは弾丸のように愚痴を言いまくる。
一方的に話し、一方的に電話を切ってしまったにも関わらず その後に“T”からメールがきた。
『整理して早く帰って。ご飯を食べてゆっくりお風呂に入ってね。それからハーブティーを飲みながら電話でお話しよう。』
そうよね?これを今日中にしなくても死んじゃうワケじゃないし。まあいいじゃないか。
車のエンジンキーを回すと、スピーカーからノラ・ジョーンズの素敵な歌声が聴こえてきた。
1曲聴き終わるか終わらないかのうちに、わたしはわたしに戻っていたのだった。
さあ、今夜はどのハーブティーをいただこうか?